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サバイバルヘルパー

第13章 新事実

「じゃ、この島は、お二人が最後の島民となるんですね」


「そうです。もう、私達が生きている間は、他の人は来て欲しくありません」


「じゃ、漂流してきた僕は邪魔者だったのですね」


 俊輔は、なんとなくわかってきた。


 この島は自分達だけの島として、他の人間を入れたくはなかった。


 小幸と久美子は、ただ交代で自分と一緒にいたわけではない。


 よそ者の自分を監視してたのだ。


 自分が行くところには、小幸がいた。


 長の家、イノブタの罠、ひょっとしたら、旅館や、井戸にも、離れてついて来ていたのかもしれない。


 そして、俊輔は遺体を見付けた。


 だから、より注意して監視していたのだ。


 久美子は立ち上がり、台所に向かった。


 そして、和皿に入った、あられを持って、それをちゃぶ台の真ん中に置いた。


 俊輔は、無意識に手を伸ばし、あられを鷲掴みにした。


 久美子はまた、俊輔の前に座った。


「本当は、あなたを受け入れたくなかったんです。あの浜で、倒れているあなたを見た時、生きていたらやっかいだと思って、最初は殺害するつもりでした」



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