
サバイバルヘルパー
第13章 新事実
皮肉にも、見付けて大喜びした包丁は、自分を刺すための包丁だ。
俊輔はガックリと肩を落とす。
「でもね、俊輔さん」
小幸が話す。
「あなたは、いつも私に優しくしてくれていた。私は自分が痴呆だってことを自覚してます。時々、訳がわからなくなるときにも、俊輔さんは、食べ物をわけてくれたり、たくさんいたわってくれたりした。いい人だってことがわかってきた」
小幸は目を細め、嬉しそうに言った。
すると久美子は、俊輔の右手をギュッと握り締めた。
「私も、その優しさは感じました。普段は姉が、あの浜にいましたが、近くで見ていて、私達に孫がいたら、きっとこんな感じだったんだろうなと……」
目に涙を浮かべ、何度も頭を下げた。
「俺は必死だったんだよ。婆さんも、同じ船に乗ってて、転覆事故にあった一人だと思っていたから……だから、なんとしても生きて一緒に帰ろうと……いつも、体のことも気をつけてたんだ」
俊輔の息が荒くなった。結局は自分の一人あがき。それが、沸々と怒りに感じてきた。
久美子は俊輔の手を、スッと離した。
俊輔はガックリと肩を落とす。
「でもね、俊輔さん」
小幸が話す。
「あなたは、いつも私に優しくしてくれていた。私は自分が痴呆だってことを自覚してます。時々、訳がわからなくなるときにも、俊輔さんは、食べ物をわけてくれたり、たくさんいたわってくれたりした。いい人だってことがわかってきた」
小幸は目を細め、嬉しそうに言った。
すると久美子は、俊輔の右手をギュッと握り締めた。
「私も、その優しさは感じました。普段は姉が、あの浜にいましたが、近くで見ていて、私達に孫がいたら、きっとこんな感じだったんだろうなと……」
目に涙を浮かべ、何度も頭を下げた。
「俺は必死だったんだよ。婆さんも、同じ船に乗ってて、転覆事故にあった一人だと思っていたから……だから、なんとしても生きて一緒に帰ろうと……いつも、体のことも気をつけてたんだ」
俊輔の息が荒くなった。結局は自分の一人あがき。それが、沸々と怒りに感じてきた。
久美子は俊輔の手を、スッと離した。
