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サバイバルヘルパー

第2章 島

 だが、火をつけたのは、まだほんの入り口。


 集めた海藻や、貝をどうにかしなければいけない。


 俊輔が手に取ったのは、メガネのケースだった。


「これ、使うか」


 メガネケースはアルミ製だった。


 パカッと二枚貝のように開き、中に貼り付いている布をはがす。


 そして、蓋とケースをつなぐ番の部分を引き裂いた。


 蓋をフライパン代わりにし、ケースの方に海水をいれて、鍋の代わりにして、かまどの傘の骨な上に置いた。


 巻き貝は、ミニフライパンで素焼きにし、海藻はペットボトルの切れはしを使って、細かく切ると、ミニ鍋に貝と一緒に煮込んだ。


「これでなんとか食えるかもな」


 二本の傘の骨を箸にして、心許ない調理を始める。


 日は傾き、空はオレンジ色に染まった。


「そろそろいいかな」 


 俊輔は茹で上がった貝と海藻を取りだし、バッグの底にあった、プラスチックの底板にのせた。


「婆さん、食べれる?」


 俊輔が聞くが、小梅は手をつけようとしない。


「少しでも食べなきゃダメだよ」


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