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サバイバルヘルパー

第2章 島

 石を使って殻を割り、中の身を引っ張り出す。


 中まで火が通っているため、まあまあ熱い。


 ミニフライパン代わりの方も、焼けてきた。


「うまそうだなぁ……」


 同じようにして身を出す。


 俊輔はひとつ口に入れてみた。


 身は少し固かった。


「ん、ん、ん、なかなか、かたいなぁ……でも、味は美味いなぁ」


 小さな海の幸。初めて自分でとって、初めて食べる。


 海藻も食べてみた。


 味はよくわからなかったが、食べれないことはなかった。


 小梅は食べようとしない。


「ちょっと固いけどさぁ……お婆さん、食べなきゃ」


「食べないの」


「なんで?」


「私、田舎煮が好きなの」


「田舎煮!?」


 無茶苦茶なことを言う。こんな島の中で、そんなものがあるわけがない。


 仮に材料が手に入っても、調理をする道具がない。


「婆さん、そんな贅沢言わない。そんなの、俺だって食べたいよ……ひとつでもいいから食べなよ」


 俊輔は無理からに進めるが、小梅は頭を横に振る。


「私は食べないの」



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