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サバイバルヘルパー

第13章 新事実

 久美子は立ち上がった。


「俊輔さん、今日は泊まっていきなさい。二階の部屋空いてます。夕方になったらお食事も用意いたしますよ」


 俊輔はガバッと飛び起きた。


「い……いいんすかっ!?」


「もちろんよ、心からのお詫びですよ。あの、男性物はありませんけど、寝間着はありますから、それを着てくださいな」


「あ、はい……いろいろすいません」


 俊輔はちゃぶ台に両手をついて、頭を下げた。


「私のだけど、着ていないステテコがあるのよ。下着代わりにはいてちょうだい。今、あなたが着ているものは、洗濯してあげるから」


「ありがとうございます……えっ、洗濯って」


 ふと、俊輔は思った。


 ここでの洗濯は、どうしているのだろう?


 すすぎなんて、水がたくさんいるのでは?


 その疑問を、俊輔は久美子にぶつけた。


 久美子は言った。


「そうね、水道のタンクに水を貯めてから使うのよ。都会とじゃ、いろいろ手間はかかるけど、慣れればなんともありませんよ」


「なるほどね」


 聞いてはみるもんだ。


「もうひとつ、聞いていいですか?」


「いいですよ」


「いとこさんが、小梅さんで、お姉さんが小幸さんだよね、あなただけ久美子さんて名前って……名前にちょっと違和感感じちゃって……」


 久美子は笑顔で答える。


「実は、久美子って、父の初恋相手の名前だったみたいです。その名前を私につけたんです」


 それはどうなんだろうと、俊輔は思った。


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