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サバイバルヘルパー

第13章 新事実

 俊輔は婦人用のシャツとステテコを借りて、衣類をすべて久美子に預けた。


 久美子はそれを洗濯機にいれ、洗っている間に、お風呂の掃除をはじめた。


 小幸は、台所に立ち、夕飯の準備にかかった。


 俊輔は一人、ちゃぶ台の上のあられを口に入れる。ふと、部屋にあった本棚を見た。


 そこに、一冊のアルバムを見つけた。


「ちょっと見せてもらおう」


 そのアルバムを手に取り、1枚ずつページをめくる。


 小梅と長の写真があった。


「あ、なんか見覚えある。廃屋に写真があったような……女の子がいたんだな……かわいそうに」


 そして、ある写真を見た時、俊輔は背筋に冷たいものを感じた。


 それは、小幸と、その旦那、稲本幸三が写っている写真だ。


「こ……これって」


 今日、浜で声をかけてきた男性と、稲本幸三が同じだった。


「うわわわわ……あの人じゃん……え、どゆこと、どゆこと!?」


 俊輔はアルバムを閉じて、本棚にしまった。


「え……じゃ、ひょっとして俺は、あの人に助けてもらったのかも? だから、またこの島に戻ってこれた? いや、わかんない。あの人が現れたのはなにかのメッセージがあったのかも……うわ、怖っ!!」


 全身がゾクゾクする。





 冷房が効きすぎだった。



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