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サバイバルヘルパー

第14章 帰ろう

「人間の欲が、この島を不幸に招いたんだな。でも……あと、何年かしたら、ここも本当の無人島……いや、廃島になるって言った方がいいかな……なんか、こんなのって、やだな」


 俊輔は重苦しい気分を吹き飛ばしたいと、岩山の頂上にむかった。


 何日ぶりだろうか?


 ここに立つと、島全体の形がわかる。


「この島に、100人ほど住んでたのか。ちょっとした独立国だな」


 真夏の太陽が、ギンギンに熱を放射してくる。


 あっという間にシャツはびしょびしょになる。


「はぁ、やっぱ暑い。わざわざ、高級感あるリゾート地にしなくても、自然はあるし、海は綺麗だし、温泉もあるし、それだけで充分なリゾートじゃん。船が出てるなら、来年またここに来たいくらいだよ……転覆と漂流はいやだけど……」


 俊輔は大きく背伸びをして、海を見た。


「ん?」


 俊輔は海に浮かぶ、なにかを見つけた。


「なんだ?」


 それは色の白い物体。


 それが、少しずつ、こちらに向かってくる。


「……なんだよあれ? え……」



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