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サバイバルヘルパー

第14章 帰ろう

 目をこらして見る。


 それは……一隻の船だ。


「船……船だ。えっ!? なんで、物資はまだ先だろ?」


 俊輔は急いで山を下りた。


 物資を運ぶ船が来るのは明後日。


 まさか、予定が早くなった?


 それとも、二人が自分をひき止めるために、嘘を言った?


 いや、理由がどうであれ、船がこちらに向かってきているのは、間違いない。


 早く行かないと、間に合わない。


 まったく島には関係がなく、そのまま引き返す船だとしても、事前にアピールすれば乗せてくれるかもしれない。


『ガッ!!』


「うわっ!!」


 石につまずいた。


 激しく横転してしまった。


 腕に擦り傷が出来たが、気にしてはいられなかった。


 早く行かなければ……。


「行くなよ……Uターンするんじゃねえぞ!!」


 息が切れる。こんなに走ったのは、夜中に旅館で人影を見た時以来だ。


 あの時も、足元を気にせず走っていた。


 気は、どんどん焦ってくる。


 気持ち的には、もうすぐ、手の届くところに、船は、来ている。


 ようやく、長の家を迎えた。


「あと、ここを下るだけだっ!!」



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