テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第3章 探検

 必死に気持ちを落ち着かせる。


 しょうがない。しょうがないんだ。


 そう、ここは家じゃないけど、下手したら、森が火事になっていたかもしれないじゃないか。


 小梅はそれを防いでくれたんだ。それでいいんだ。


 俊輔は、何度も深呼吸を繰り返す。


 今日、やらなきゃいけないこと。


 水、食料、寝床、再び火。


「勘弁してよぉ〜」


 俊輔は頭を抱えた。


 ただでさえ、空腹と喉の渇きにイライラしてるのに、ぶつけようのない怒りを発生させるようなことは、やめてくれ。


 いつまでもここにいたら、自分がおかしくなる。


 さっさと出かけよう。


 空になったバッグを肩から下げ、骨とシートをはずし、棒だけとなった折り畳み傘を手に持った。


 そして昨日、植物に被せたビニール袋を見る。


 わずかだが、袋の底に水がたまっている。


「無いよりマシか」


 その袋の口を縛り、水筒代わりに持っていくことにした。




ストーリーメニュー

TOPTOPへ