テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第3章 探検

「はい、わかりました」


「たぶん、ライオンとかは出ないと思うけど……僕はご飯と水と探してくるから、うろうろしないでよ」


 そう言い聞かせると、さっそうとその場を離れていった。


 すると……


『ガン! ガン! ガン! ガン!』


「早すぎるわっ!! なにもないし、祭りでもないから、いま、叩かない!! なにか、ピンチになってから叩きなさい」


『ガン! ガン! ガン! ガン!』


「いや、たしかにこの状況ですでにピンチなんだけどさ……このピンチをなんとかするために、今から出掛けるから……」


「いってらっしゃい」


「はい、いってきます」


 こんな調子だと、鳴っても帰っていいものかどうかもわからない。


 まあ、足が悪いし、そんなうろうろすることはないだろう。


 小梅の行動を気にしながらも、やっと、探索に向かうことができた。


『ガン! ガン! ガン! ガン!』


 とりあえず、一度無視することにした。


 振り向いたって、なにもおこってない。


 おこってない。


 なにもない。


 ……。


 振り向いた。


 なにもおこってなかった。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ