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サバイバルヘルパー

第3章 探検

 どっちを選んでも怖い。


 だが、たった1つだけ、賭けがある。


 飲んでも大丈夫だという賭けだ。


 飲まなければいけないという選択は除外できない。


 袋に口をつける。自然と目を閉じてしまう。


 決して冷たくはなく、とても生温い。


「うわ……これ、大丈夫なんだろうなぁ……」


 出来れば煮沸消毒か、ろ過くらいはしたい。だが、そんなことが出来る状態ではない。今すぐ、水分補給をしなければならない。


「もう……いけぇっ!!」


 意を決し、一気に口に入れた。


 おもいっきり緑の味が広がった。


『ゴクン』


 勢いにまかせて飲んだ。


 なぜだろう、たかが、水を飲むだけの行為に疲れてしまった。


「飲むか飲まないかの葛藤で、こんだけしんどいのは初めてだ」


 これで、命の水は無くなった。


 あとは自力で水を獲得しなければならない。


「俺がメガネケースを叩きたいわ」


 そう呟くと、風通しがよく、もたれやすい木の根元に座った。


 アリもいない。クモもいない。休憩するにはちょうどいい。




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