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サバイバルヘルパー

第3章 探検

「よし、やるか」


 立ち上がった。


「んっざけんなっ!! なにが、島だ……昔は人間も0から歩んでいって、今があるんじゃねえか。ここで諦めずに頑張りゃ、俺だってここでLEDやらスマホやら作れるってんだ」


 自棄になると、出来ることと出来ないことの境目を見失い、出来ないことを無理からに「よし、今日はまず移動がしやすいように、バギーでも作るか」と場所と現状と知識を思考に入れずに口走る。


「……て、出来るわけねえよな」


 偉いのは言ってすぐ、後から気付くことた。


 ようやくやる気を出して動き始めた俊輔。


 やがて、ある音が耳に入る。


『シャイシャイシャイシャイシャイーーーッ!!』


「せみ?」


 それも、かなりの量のセミだ。


「セミかぁ……」


 俊輔はうなだれる。


「テレビでセミを食ってるのを見たことある……食えるんだろうけど……」


 焼いて食べれば、炙ったエビのような味がする……らしい。


 しかも、中の筋肉は鶏のササミのような味だという。


 だが、そうは知っていても、簡単に手が出せない。取れないのではない。


 躊躇してしまう。



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