サバイバルヘルパー
第3章 探検
森の中、道のようで道になっていない未知なる道を、フラフラになりながらも歩く。
セミの声が鼓膜を振わせる。
少し目線を上げれば、視界に入ってくる枝に、明らかにセミとしか言い様のない昆虫が尻を振るわせながら鳴いている。
汚ないダミ声で「おう、よう来たのワレ」と河内弁で言われているような気がした。
「ダメだ、なんかおかしな事を考えてしまう……セミか……」
食べようと思えば食べられる。いま、目の前にあって、すぐ捕獲できる距離にある。
少し手を伸ばせば……
『ジジッ……』
取れた。
とても簡単に取れる。
昔は虫が苦手で、子供に人気のカブトムシさえ触れなかった。
バッタも嫌いだった。
だが、これが生きることに繋がると思い始めた時、人は変わる。
俊輔は面白いように、次々とセミを取って、バッグの中に入れていった。
「他にいい食材があったら、それを取って、こいつらは逃がせばいい。なにもなかったら、こいつらを……」
バッグの中が、鳴き声と羽ばたく音で賑やかになった。
セミの声が鼓膜を振わせる。
少し目線を上げれば、視界に入ってくる枝に、明らかにセミとしか言い様のない昆虫が尻を振るわせながら鳴いている。
汚ないダミ声で「おう、よう来たのワレ」と河内弁で言われているような気がした。
「ダメだ、なんかおかしな事を考えてしまう……セミか……」
食べようと思えば食べられる。いま、目の前にあって、すぐ捕獲できる距離にある。
少し手を伸ばせば……
『ジジッ……』
取れた。
とても簡単に取れる。
昔は虫が苦手で、子供に人気のカブトムシさえ触れなかった。
バッタも嫌いだった。
だが、これが生きることに繋がると思い始めた時、人は変わる。
俊輔は面白いように、次々とセミを取って、バッグの中に入れていった。
「他にいい食材があったら、それを取って、こいつらは逃がせばいい。なにもなかったら、こいつらを……」
バッグの中が、鳴き声と羽ばたく音で賑やかになった。