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サバイバルヘルパー

第3章 探検

 走るように、家から飛び出した。


「ぎゃーーっ!! こ、声がしたぁーっ!!」


 玄関から、中腰になり、ゴロリと一回転。


「仏壇が喋った仏壇が喋った仏壇が喋ったぁーーっ!!」


 俊輔は腰を抜かした。


 だが、手にはしっかりとマッチが握られていた。


 走って逃げたい。だが、逃げられない。生まれて初めての腰抜かし。


 ほぅ、これがそうなのかと、落ち着いてのみこめない。


「まさか、誰か住んでる? そんなわけないよな……なんなんだよ、怪奇現象のくせに、このさらり感」


 モノを見たわけではない。だが、確かに声は聞こえた。


 ひょっとしたら空耳だったのかも?


 そんな気もしてきた。


 俊輔はゆっくりと立ち上がってみる。


 なんとか、うさぎ跳びのような体勢にまでもってこれた。


 俊輔はバッグにマッチを入れた。


『ジジジ……』


 バッグからセミが飛んだ。


「まだいたのか?」


 そのセミが廃屋に逃げていった。


「ピエエーーーっ!!」


 中から声が響いた。


 その声に驚いたのか、俊輔は再び腰を抜かす。




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