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サバイバルヘルパー

第3章 探検

 俊輔は両手を後ろにつき、なんとか半身を起こした。


「だから、婆さん……なんでここにいる? どうやって来た?」


 そう尋ねても、小梅はただボォ〜っと、俊輔の顔を見ているだけだ。


「こんな調子だ……婆さん、こんな所にいたら危ないからさぁ、ダメだよウロウロ歩き回ったら……」


「違うの。おトイレに行きたいの」


「トイレぇ!?」


 俊輔は夜中に一度、砂浜に大をしてから砂をかけていたが、小梅はどうしていたのだろう?


 まさか、この家のトイレを借りていたのか?


「婆さん、ここの家のトイレに入ってたのか?」


「あそこにあるの」


 小梅がヨタヨタと歩きだした。


「おい、行くのかいっ!?」


 足を引きずりながら歩く小梅の後を、ついていく。家の裏に回ると、木造の小さな小屋が見えた。


「あれか……」


 俊輔は小走りで、その小屋に向かった。


 木でできた取っ手をつかんで、引っ張ってみるが、戸は開かない。


「あれ? 鍵がかかってる?」


 だが、その問題はすぐに解決。ただ、横にスライドするだけだ。



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