テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第3章 探検

「な……なにっ!!」


 俊輔は見た。


 井戸の中で眠る、白骨化した遺体を……。


「うわああぁぁぁぁーーーっ!!」


 全身を掴まれるように襲った恐怖。


 あわてて外に逃げ出した。


「絶対ダメだって……ここ、ヤバいよ……」


 しばらくは近付けない。ここに来るのはやめよう。心臓がバクバクしすぎて、痛くなってきた……ような気がした。


「なめてかかってた……蓋がしてあったってことは……あやまって落ちたわけじゃないな。殺人!?」


 夏にふさわしいくらいのゾクッと感を味わった。


 俊輔は呆然としながら、逃げるように、遠回りしてきた道を進んだ。


 岩からでる水を溜めているのだ。


 それを回収しなければならない。


 しばらく下りると、それはあった。


 ピチャッピチャッと水が跳ねている。


 袋にはまあまあな量の水が溜まっていた。


 ほんらいなら、煮沸消毒をして飲みたいところだが、強烈に喉が渇き、耐えられない状況だった。


 俊輔は、それをグイっと一気に飲み干した。


「く……うめぇ……水だよ……水だよ……やっと飲めた……」


 都会では当たり前のように飲めた。蛇口からいくらでも出た。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ