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サバイバルヘルパー

第3章 探検

 バッグに、なにか入れてないかを確かめる。網にペットボトルに小さなビニール袋。セミの死骸三匹。



 セミは捨てた。


 バッグの片側に小さなポケットがあるのを確認。


 手を入れてみた。


「なにこれ?」


 なにか、棒状のようなものが、手に当たる。


 掴んで引っ張りだしてみた。


 ボールペンだ。


「書けるのかよこれ?」


 手の平になぞらせた。少しだが、インクは出るようだ。これはこれで、何かの役にたつかもしれない。


 俊輔は、昨日から乾かしていた手帳を取り、ジーンズのポケットにしまった。


 砂浜から森を、天を仰ぐように見る。


 白い岩肌が露出している山が見える。


「あそこまで行けば、わかるかも……」 


 とりあえず、目標は岩山の山頂とし、島をこまかく捜索することにした。


 俊輔は森の奥にむかった。


 ここから右に行けば、バッグを拾った浜に出る。


 左に行けば、遺体が入っていた井戸がある廃屋。


「まっすぐ行くっきゃねぇだろ」


 俊輔は、まっすぐ歩き出した。


 鬱蒼としたジャングルのなかを、ボールペンと手帳だけを持った男が、さっそうと歩く。



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