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サバイバルヘルパー

第4章 小梅の本気惚け

 あの曰く付きの廃屋を過ぎ、豊潤なメタンを愉しませてくれるトイレをすぎ、枝分かれした道を進む。


 しばらく歩くと、草の手入れがされていない、雑草の道があった。


 やがて、土道に出る。数メートル先に、廃屋らしき建物の屋根が見える。


 途中、大雨のせいで、道のぬかるみが激しく一歩足を出すと、田んぼ以上底なし沼未満の道があった。


「うわわわわっ!!」


 急に、ズブズブっと足が入り込む。だが、すぐに底が当たった。


 それでも深く、左足の膝下10センチまでもぐり込んだ。


「なんだよ、粘土層かっ!? さっきまで、こんなのなかったじゃん……なんで?」


 足を抜こうとするが、なかなか抜けない。


 よく見ると、道を横切るように、1枚の長い板がはまっているように見えた。


「なんだこれ?」


 ふくらはぎのすぐ後ろにも、同じように板がはまっている。


 なにがおこったのか?


 自分は遊ばれているのか?


 少し考えてみた。


「ひょっとして、ここは……道の間にあった用水路か?」


 使われていない用水路に、泥のような粘土が溜まった。


 それが雨水を吸って、柔らかくなっていた。




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