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サバイバルヘルパー

第4章 小梅の本気惚け

 力を入れて抜けば、足は抜ける。だが、靴は脱げる。


「めんどくせえなぁ……」


 俊輔は手を突っ込んで、靴を引っ張り出した。


 石を使って、まわりを削ってみると、30センチほどの幅をおいて、板がはまってある。


「て、ことは……この上に溜め池かなんかあるのかな? それか川か……」


 俊輔は板をたよりに、用水路を上にたどってみた。


 石を積み上げて固定されたところに、ふといグレーの管がある。


 その下は、用水路に繋がっている。


「この上か?」


 俊輔は石垣を登ってみた。


 道らしきものはないが、歩けないことはない。


 踏むとパキパキ枝が折れる音がする。


 あとは、その管をたどるのみ。


 金具で固定されているようだが、すでに錆びてしまい、固定どころか、途中で折れてしまっている。


 その先に、グシャグシャになった金網が見える。


「あれか?」


 俊輔は近寄ってみる。


「こんな所にあったか……」


 見つけたのは、緑色に濁った水でいっぱいになった溜め池だった。




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