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サバイバルヘルパー

第4章 小梅の本気惚け

 あまりの重さに、逆にこちらが引っ張られるような錯覚をおこす。


「ふんっ!!」


 頼るは片手のみ。力ずくで引っ張りあげる。


 だが、その先に青く変色した、人間の腕が絡まってきた。


「どぅうぉわああぁぁぁぁーーーっ!!」


 思わず古木を離し、メキシコのプロレスラーのように、金網を横飛びしながら逃げた。


 ずぶ濡れのジーンズがまとわりつき、足がもつれる。


 それほど体力はつかっていないのだが、驚くだけで息切れをする。


 歯茎をむき出しにしながら、ゼェゼェと息を吐き、あまりの衝撃的映像により、目がボビー・オロゴンになっていた。


「なんだあれ……なんだあれ……手だよな……手、手、手だったか?」


 今日は本当にオカルトな日だ。


 廃屋では、小梅と井戸の遺体で驚き、小梅の顔だしで驚き、あの青い手で驚いた。


 いろんなことが1日でありすぎて、心臓がもたない。だが、このままでは終われなかった。


 しかも、青い手?


 もう一度、溜め池を覗いて見ようと思った。


 なにかの見間違いかもしれない。


 恐怖を押し殺し、現実にも目をそらさないようにしよう。


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