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サバイバルヘルパー

第4章 小梅の本気惚け

 だが、まったく突破口がつかめない。


「え……これ、どう絡まってんだよ……」


 辺りが、暗くなりつつある木々の中で、縮こまりながら1ミリ弱の世界に身を投じる。


 だが、限界だった。


「やってられっか、クソーッ!!」


 イライラが爆発。


 蹴るように、強く地面を踏んだ。


『べキッ!』


「うおおっ!!」


 なにか、硬いものを踏み壊したような感覚。


「なに……なに……」


 だが、どこを見ても、なにも変化がない。


 と、言うか、自分がどこを蹴ったのかがわからない。


「あれ?」


 よく見ると、自分が立っている位置が、他の所よりも数十センチ低いのがわかった。


 しかも、金網の下の部分が自分の腰のあたりにきている。


「なぜ、ここだけ道みたいに窪んでるんだ?」


 両サイドがゆるい斜面のように、削られて窪み、ふとい溝みたいになっている。


「ここって……」


 俊輔は、溝の斜面を上がり、溜め池を見た。


 被さった土や、生い茂る草で見えなかったが、どうやら石を積み上げて、丸く池を作っているようだ。



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