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サバイバルヘルパー

第2章 島

 木や草を眺めながら、一歩ずつ進む。


 山菜や食べられる野草については、知識がない。


 わらび、ぜんまい、タラの芽ならわかる。


 だが、そんな都合のいいものなんて、なかなか生えていない。


 生えていたとしても、どうやって食べていいのかわからない。


「食べられそうな木の実とか、ないかなぁ……けど、こんな暑い時期になにがある?」


 見上げても、木の実や果実と呼べるようなものは、なにひとつ見当たらない。


 緑が生い茂り、木漏れ日が射し込んでくるだけだ。


 さらに森の奥へ進む。


 途中、振り返って見る。


「あれっ!?」


 道がない。それもそのはず。最初から道なんて進んでいないのだ。


 ただ、木と木の間を通って来ただけである。


「やべぇ〜、帰れるかなぁ……婆さん一人残して遭難なんて、洒落にならねえよ……婆さんも、なんかボケてるっぽいしなぁ……一人で大丈夫かなぁ……」


 この島、唯一の仲間である。


 それでなくとも、ここが無人島かどうかもわからないのだ。


 野蛮な人食い種族がいないとも、限らない。




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