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サバイバルヘルパー

第4章 小梅の本気惚け

「やっぱ、中途半端に板が折れたから無理なんだな」


 もう、空は茜色。ここで時間をとってしまえば、帰るのが大変だ。


「戻ろうか……」と金網の外に出た。


 何気に見た、太い溝。


 気のせいか、ぬかるんでいるように見える。


 俊輔は溝の中に、下りた。


 雨のせいで、多少、土は濡れてはいるが、そうではない。


 なにかが滲み出ている。


「なんで?」


 俊輔はそこを踏んでみた。


『ペキ』


「っ!!」


 なにかが割れたような音。


 その辺りに落ちていた石を拾い、土を除いてみる。


 かなり土がやわらかい。それどころか、溢れ出てくる。


「あっ!!」


 掘りすすめると、そこから、グレーの水道管が露出した。


「わっ!! ここに埋まってたのか」


 よく見れば、かすかにヒビが入っていた。


 釣糸をほどいてる時にイライラして、俊輔が踏み蹴ったのが、そこだった。


 足で踏むとわかる。かなり、もろい。


「……よし」


 俊輔は勢いをつけて、そこに狙いをつけ、思いっきり踏み込んだ。




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