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サバイバルヘルパー

第4章 小梅の本気惚け

『バリバリ』


 管が割れたと同時に、水が噴き出した。


「うおぉーーっ!!」


 割れた穴から止めどなく水が漏れ出してくる。


 俊輔は溜め池を覗いてみる。


 ジワジワだが、水が減ってきているのがわかる。


「こりゃいいな!! あとは、ここの深さだけだな」


 徐々に、藻の固まりが浮き出てくる。


 水はまだバシャバシャと出続けている。


 藻の中を注意深く見てみると、ワサワサと動く物が見てとれる。


 それは、藻の網に引っ掛かって、身動きが取れなくなった色の黒い魚だ。


 それも、かなり大きい。


 俊輔はジッと魚を見る。


「あれは、鯉か。今は藻の上に乗ってるって感じだな。どうしよ……抱えて上がるか……でも、逃げられたらヤバいし……」


 俊輔は鯉の様子を確かめながら、硬そうな木をさがした。


 幸い、あちらこちらに倒木があり、雨にかかっていない木も沢山あった。


 その中にある程度の重さのある棒を見付けた。


「これだ」と足早にもどり、金網をこえる。


 その棒を両手に、竹刀のように持つ。


 

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