テキストサイズ

sugar-holic

第11章 イベント準備

倉田くんの後から浅野社長の所へ行くと

「倉田くん、ちょっと聞きたいんだけど…」

浅野社長が倉田くんに色々質問をし始めた。

什器の配置、購入者の並ばせ方、カウンターに入る人数に、その役割…

ん?

什器のレンタル会社を紹介してもらいたいだけなのに、何でそんなに詳しく聞くんだろう?

「分かった。だったら、こうしないか?」

浅野社長が出してくれた案は、カウンターの配置を変えるというものだった。

「今から同じサイズの棚を探すより、あるものを活かして組み替えて作った方が早い」

「それはそうですけど…」

「それに、その方が倉田くんも顔がたつだろう?」

あ…そこまで考えなかった。

納品ミスとはいえ、違う業者が納めた品物をイベントで使ってたら…確執が残る、か。

「浅野社長、ありがとうございます」

倉田くんがペコリと頭を下げると、

「梢さんが必死だったからね」

そう言って、ククッと笑った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ