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sugar-holic

第15章 オトコゴコロ

「飾り切り、上手だね」

すると亮くんは、頬を弛ませた。

「バーテンダーの試験に、フルーツカッティングもあるんですよ」

「へぇ。練習してるんだね」

「はい」

話している間にフルーツはカットされて皿に並んでいく。

「あとは、これを」

クリームチーズに赤い果肉が練り混ぜられているものが皿の中央を陣取った。

そしてその横には…クラッカー?

「クラッカーの上に塗って、フルーツを乗せて食べてみて下さい」

「…酒の肴ってより、デザートって感じだね」

「まぁ、どうぞ」

クスクス笑う亮くんに、眉を上げて肩をすくめてみせると、手順通りに作って食べた。

「へぇ…」

思ったより甘くない。

上に乗せたオレンジの香りが爽やかで、クリームチーズが軽く感じる。

それに、クリームチーズに混ぜてある赤い果肉。

ほんのり甘くて、酸味もあって。

これって…

「トマトのジャム?」

「惜しい!トマトの蜂蜜漬けです」

亮くんは驚きながらも教えてくれた。

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