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sugar-holic

第2章 心機一転

《倉田side》

「はい、コーヒーしかなくてごめんね」

そう言って、目の前に差し出されたマグカップを受け取ったものの。

どう見ても客用じゃないよな。

目の前の人は、カフェオレボウルでコーヒー飲んでるし…。

恐る恐るカップに口つけて…あ、旨い。

少しだけホッとして、周りを見回した。

「ほんとに何もない部屋ですね」

「うん。寝に帰るくらいだもん」

それって、30過ぎの女がする話じゃないと思うんだけど。

「女の家で、食器がないって初めてです」

そもそも食器棚がない。

今のマグカップも、水切りトレイに伏せてあったやつだ。

「食器、あるよ。コップとマグカップ」

「皿もないし、鍋も包丁もなさそうですね」

片付け上手って人でも、どうしても見えるところに出てしまうのに、それが一切ない。

って事は…持ってないんじゃないのか!?

「果物ナイフくらいならあるよ」

俺の読みを裏切らず、あっけらかんと答えた。

「料理、全く出来ないんですか?」

「さぁ、どうかな?」

クスッと笑っているけど…多分、確定。

「実際作るより買うか食べに行った方が早いしね」

やっばり。料理しないな。

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