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sugar-holic

第16章 まさか…

しばらくそんな感じで飲んでいると、真由美さんの彼氏がやって来た。

「すみません。遅くなりました」

「いやいや、無理言って悪いね」

浅野さんがそう言って、真由美さんの隣に座らせる。

「何か飲む?」

亮くんがぶっきらぼうな口調で聞くと

「お前な、仕事中だろが。ちゃんとやれ」

高橋さんに咎められ、軽く肩をすくめるとにっこり笑って

「いらっしゃいませ。いつもの炭酸水でよろしいですか?」

「ホットコーヒー」

「…ノンアルコールのカクテルもありますけど?」

「車だからアルコール飲めなくて、甘いものが苦手って客もいるだろが?」

ニンマリ笑う高橋さんに、亮くんはため息をついた。

「…嫌な奴」

「は?」

「いいえ。お待ちください」

そんな二人のやり取りを、微笑みながら真由美さんが見ていた。

私の視線に気付き、笑みをこぼすと

「いつもこうなんですよ?」

「俺は指導してんの」

「こんな嫌な客、普通来ませんよ」

高橋さんにコーヒーを出しながら、亮くんが毒づいた。

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