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sugar-holic

第17章 思い出してしまうから

台所に立って、気がついた。

この台所、カスタマイズされてる。

私の身長が167cmなんだけど…

流し台を前にすると、縁がウエストより下にくる。

これだと洗い物なんかすると、かなり屈まないといけなくて…

って事は。

元奥さんは、かなり小柄な人だったのかな?

浅野さんは、私より背が高いから、この台所では不自由するだろうに。

ちらっと浅野さんを見ると、所在無さげに台所に立っていて…

浅野さんの家なのに。

思わず笑ってしまう。

「何かおかしいことでもあった?」

「いえ、何でも」

くすくすと笑いを浮かべ、

「じゃあ…何を作りますか?」

そう聞くと、浅野さんは少し迷ったような素振りを見せた。

「…じゃあ、チーズオムレツ」

「わ。すごい。オムレツ作れるんですか?」

「いや、いつも失敗するんだ」

そう言って笑った顔が。

「梢さんに教えてもらおうかな」

何故だか妙に寂しそうな笑いに見えた…。

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