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sugar-holic

第17章 思い出してしまうから

「あ…じゃあ、ボウルと泡立て器、ありますか?」

「あぁ…待って。ここに入ってるはず」

カウンターの下の収納棚からすぐに出してくれた。

「ありがとうございます」

卵をかき混ぜながら、浅野さんの言葉が気になった。

普段料理しないのに、チーズオムレツはいつも失敗する。

何だか矛盾した話だなぁ。

道具だってすぐに取り出せて…

どこに片付けたか、ちゃんと分かってるって事だよね。

「泡立て器で混ぜるんだ」

「その方がフワフワになりますよ」

「へぇ…成る程ね」

フライパンに卵液を流し入れて、菜箸でかき混ぜてからチーズを乗せる。

フライパンを傾げながら柄を軽く叩いていくと、少しづつ巻き込み出した。

「すごいな。プロみたいだ」

浅野さんが感心して褒めるから、何ともくすぐったい。

お皿に盛って、空いた場所に野菜サラダを添える。

「はい、チーズオムレツです」

それにトーストとコーヒー。

まるで、喫茶店のモーニングメニューみたい。

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