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sugar-holic

第19章 俺の女神

打ち合わせが一通り済んだところで

「あ、所で。この間のイベントでは、お世話になりました」

私が話を振ると、浅野さんが小首を傾げて

「ん?…あぁ、あの棚の話?」

「はい。イベントも大盛況で」

「それはよかった。倉田くんの頑張りのお陰じゃないのかな?」

浅野さんが倉田くんに笑いかけると

「いえ。確認不足の箇所もありましたし、まだまだ完璧とはいきません」

しらっと素っ気ない返答をしている。

「そうかな?」

え。そこで私に振りますか!?

「あ…でも、ものすごく頑張っていたって、徳島部長から聞いてます」

倉田くんがちらっと私を見た。

「だって。ちゃんと評価されてるって、良いことだね」

浅野さんの言葉に、倉田くんは

「はぁ…どうも…」

何故か歯切れの悪い言葉を口にした。

ん?どうしたのかな?

倉田くんの態度が、何か引っ掛かる。

「さて、と。じゃあ、次回までにサンプルを作らせるよ」

「あ、はい。よろしくお願いします」

あ、商談終了か。

椅子から立ち上がって、浅野さんに挨拶をした。


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