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sugar-holic

第19章 俺の女神

すると、倉田くんがため息をついた。

「浅野社長がアンタを推す理由が、俺には理解できませんね」

ん!?浅野さん?

「浅野さんがどうかしたの?」

「…だから、そういう所です」

倉田くんが何を言いたいのか、全く分からなかった。

眉を寄せて、フロントガラス越しに外を眺めていると、倉田くんがぼそりと聞いてきた。

「…今日、イチに会わせようとして、連れていかれたんですよね」

あ…喫茶店に行ったこと?

「あ…うん。懐かしかった?」

ベリーくんは嬉しそうに笑ってたけど。

倉田くんだって、楽しかったんじゃないの?

「イチと飲み友達ですってね」

あれ?はぐらかされた?

「あ…はは。まだ1回しか飲んだことないけど」

苦笑いを浮かべた私に、倉田くんは口の端を歪めた。

「いいんじゃないですか?1回飲んだだけで『友達』って認識されるくらい深く付き合えれば」

……ん!?

何か…妙に引っ掛かる言い方じゃない!?

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