テキストサイズ

sugar-holic

第19章 俺の女神

シートに深くもたれ掛かると、倉田くんが

「1つ、貰えますか?」

「え?倉田くん、飴食べるの!?」

普段、甘いものを食べてる所を見たことがない。

前、チョコをあげた時も、不満げだったのに。

「いけませんか?」

「いえ。全然!」

急いで鞄から飴を取り出した。

運転してるし、不便だよね。

包装紙を剥いて飴を差し出すと、倉田くんが怪訝そうな表情を浮かべ

「彼氏以外にそういう事しますか?」

「へ?…だって運転しながらじゃ食べにくいでしょ!?」

言われてみれば、確かにそうかも。

他人の手に触れたの、苦手って人もいるよね。

「じゃあ、新しいのあげるよ」

手を引こうとしたら、

「それでいいですよ」

そう言って、手を掴まれた。

そしてそのまま、倉田くんの口元に手を誘われて…

「甘っ!!」

飴を口にして、一言めがそれだった。

「…飴は甘いものでしょ?」

平常心を保ちながらそう答えたけど。

「旨そうに舐めてたから…」

倉田くんの唇に触れてしまった手を握りしめた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ