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sugar-holic

第19章 俺の女神

「うん、気に入ってるから」

指先に、唇の感触が残ってる。

どうして、これくらいの事でドキドキしてしまうんだろう…?

「へぇ…」

倉田くんが目を細めて、笑いを浮かべた。

「岐阜に転勤が決まったとき、貰ったの。平谷次長から」

お餞別。

そう言って貰った飴が、とっても美味しかった。

「それ以来、のど飴買うときはこれを選んじゃうかな。元気貰える気がして」

「…ふーん」

素っ気ない口調。

まぁ、倉田くんにとってはどうでもいい話だもんね。

それ以上話すこともなく、流れ行く景色を見ていると

ゴリッ!!

急に重い音が社内に響いた。

え!?

驚いて様子を窺うと…

ガキン!!

音のした方向を見たら…

倉田くんが、険しい顔つきで口を動かしている。

え!?

パキン、パキンと音は絶え間なく鳴り…

「倉田くん…?」

恐る恐る声をかけると、

「何ですか?」

そう答えながらも、音は鳴っていて。

飴…噛み砕いてる!?

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