テキストサイズ

sugar-holic

第20章 久し振りだな

振り向いて倉田くんに同意を求めた。

だけど、私の予想とは違って、倉田くんは何故か渋い顔をしていて…

ん?嬉しくないの?

「倉田くん?」

もう一度聞くと、諦めたように息をつき

「せっかく気負って来たのに」

そう言って、次長に笑いかけた。

「その意気込みは買うぞ。ぜひとも気負ってもらわないとな」

そう言って、次長は私たちを招き入れた。

「えーっと…他のメンバーの人は…?」

事前にもらった資料には、久保田くんの他に二人の名前があったんだけど…。

「後でスタッフ紹介をするけど、とりあえず三人で話がしたかったんだ」

私と倉田くんが並んで座った前に、長テーブルを挟んで次長が座った。

「その後どう?何とかなってる?」

次長の問いかけに、倉田くんは首を傾げ、私は…小さく笑った。

前に相談した話だよね。

あの時は最後まで話を聞いてもらえなかったんだけど…でも。

次長を見て、頷いて笑顔を作る。

「はい。何とか」

言わなくて正解だったのかも。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ