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sugar-holic

第22章 契約して下さい

そんな事を考えていると、倉田くんが大きく息を吐き

「…めんどくせぇ」

一言で言い放った。

え!?

驚いて倉田くんを見ると、眉を寄せて腕を組んで

「一言、『彼女出来た?』って聞けばいいじゃないですか」

う…。それはそうなんだけど…

言葉に詰まった私を、愉しそうに目を細めて眺めると、

「気になるんでしょう?」

そう言って、小首を傾げながらニヤリと笑った。

「そんな事…」

聞けるなら、こんな風に悩んでないわよ!!

倉田くんから視線を反らし、窓の外を見てるフリをした。

窓の外は暗闇で…窓ガラスに反射した室内が写っているだけ。

そんな窓枠の中で、倉田くんがハッと息を吐き、ビールを飲み干す姿が見えた。

「よりを戻したいなら素直になればいいのに」

背後からポツリと呟かれて、振り向いて倉田くんを直視して言った。

「違う!」

よりなんか戻さない。

「戻そうにも、戻りようがない」

真顔でそう告げると、倉田くんの顔から力が抜けた。

眉尻を下げて、諦めに似た笑いを浮かべると

「意地っ張りですね」

そう言うと、空の缶を私が立てた缶の横に並べた。

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