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sugar-holic

第22章 契約して下さい

「まずは…仕事でしょ!?」

絞り出すように答えると、倉田くんがフッと鼻で笑った。

「可愛くない答えだなぁ」

う…。自分でも分かってるわよ!!

「あなたに可愛いって思われたい訳じゃないから!」

自分で答えたのに、内容が情けなくて。

悪態をつきながら、倉田くんを軽く睨んでビールを飲んだ。

すると…

「思ってますよ?」

静かに言われて、ビールを持つ手が揺れた。

「え?」

聞き間違いか、意味の取違いか?

どっちにしても、倉田くんが言うはずのない言葉を聞いた気がして、聞き返してしまった。

そんな私をまっすぐ見たまま、段々と眉をしかめていくと

「可愛いって…思わなくはない」

「何それ!?」

どういう意味!?

ものすごく否定的…っていうか、表情といい、言い方といい、渋々言ってる感が満載なんだけど!!

思わず、険しい顔で倉田くんを睨むと、呑気そうに欠伸をしながら

「あれ?酔ってるのか?…まぁ、気にしないで下さい」

そう言って、手で追い払うような仕草をした。

気にするなって…気になるでしょ!?

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