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sugar-holic

第22章 契約して下さい

酔ってるなら飲まなきゃいいのに、相変わらずビールを口にしながら

「で、仕事でしたっけ?」

軽く聞いてくる倉田くんに、諦めに似た感情が沸き上がった。

相手は酔っぱらいだ。

まともに相手するだけ無駄だわ。

「とりあえずは、今のプロジェクトを成功させたいよね」

笑顔を浮かべて話をすると、倉田くんが片目を細めて面白そうに返す。

「で?初の女性幹部にでもなるつもり?」

その口調。

言葉の裏に、嫌味が渦巻いてるのがよく分かる言い方だこと。

「そんな先の事は考えてないけど…任された事は、ちゃんとやり遂げたい」

きっぱり、はっきり言い切ると、倉田くんは頬杖をついて

「ふぅん」

と口元を歪めた。

さっきから一体何だっていうのよ!?

…いやいや、相手は酔っぱらいだ。

まともな受け答えを期待する方が間違ってる。

「ねぇ、そろそろ自分の部屋に戻れば?」

私の提案に、スツールから立ち上がった。

良かった。まだ歩けないほどの酔いじゃないみたい。

内心ホッとして倉田くんを見ると

「なぁ」

近付いてきた倉田くんに、顔を覗き込まれた。

「俺と、契約しませんか?」

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