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sugar-holic

第23章 鬼の霍乱

そんな池上くんに

「倉田くんを『鬼』と言った、君の勇気に拍手するよ」

千秋ちゃんがニヤッと笑いながら拍手し、それに坂口くんも賛同した。

拍手の波が広がっていくのを、池上くんは焦って見回しながら

「え?いや、そういう意味じゃなくて!!」

手をジタバタさせて、皆の拍手を止めさせると

「倉田さん、戻ってきたとき、耳が赤かったんで!」

慌てて弁明を始めた。

え?耳?

ミーティングルームにいたときは、顔とか赤くはなかったけど…

「ありゃ。熱でもあったのかな?」

比呂子さんが私に聞いてきたけど、そんな話はしなかったから、首を傾げて肩をすくめた。

「顔色はあまり良くなかったけどね」

「あぁ、何か疲れた感じでしたね」

「でも、国体のことで忙しそうだったから、それでかなと思ってたんだけど」

「あともう少しだもんね」

皆の気持ちが何だか嬉しかった。

頑張ってるの、ちゃんと見ててくれてる。

よし、とにかく今日やることを片付けていくか!!

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