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sugar-holic

第23章 鬼の霍乱

そして1日が終わり…

帰り支度を始めた私のところに、比呂子さんがやって来た。

「お疲れ様でーす。あら、珍しくもう上がり?」

「とりあえず今日やることは片付いたからね」

すると、何かを飲む振りをして

「じゃあ、予定なければ行かない?」

飲みに誘われた…けど

「あ…倉田くんの様子、見に行こうかと思って…」

私の返事に、驚いて

「え?マジで!?」

「ん…だいぶ辛そうだったから」

比呂子さんは何かを考えるように天井を睨むと

「倉田のうち、分かる?」

「え…と。タクシーの人に住所言ったら行けない?」

私の答えに、比呂子さんは何故か笑い出して

「番地だけではおおよその場所しか行けないかもよ?」

そして、ニッと笑いを浮かべて言った。

「じゃあ、連れていってあげるよ」

「え!?」

「倉田の家、私のうちの近くなんだよね」

「あ…そうなんだ」

初めて聞いたかも。

って言うか…倉田くんのプライベートな話って、あんまり聞いたことがないってことに、今さら気がついたんだ…。

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