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sugar-holic

第24章 最後に《倉田side》

その途端、ふわりと甘い香りが立ち上った。

ベリー系の甘ったるい香り。

史華のさらさらの黒髪から香るこの匂いが心地好かった…

…はず、なんだけどな…。

抱きしめない俺を責めるように、涙をためた瞳で見上げると

「ねぇ、少しでもあたしの事好きだった?」

両手を伸ばし、すがるように半袖の袖口をきゅっと掴んできた。

「…どうだろうな」

そういうのが可愛いと思った時もあったさ。

だけど、それって『狙ってやってる』だろ?

史華の目から、ぽろんと音がしそうな感じで、一粒涙が零れた。

それとほぼ同時に袖を掴んだ手に力がこもり、史華の方に引き寄せられる。

ゆっくりとした動きで、史華の顔が近付いてきて…唇が触れた。

髪の甘い香りと、ぷるんとした唇の柔らかさ。

まるで唇自体が甘いように思えてくる。

食むように甘噛みすると、史華が声を洩らして応えた。

そのまま舌を絡ませて軽く吸うと、史華の体から力が抜けていった。

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