テキストサイズ

sugar-holic

第24章 最後に《倉田side》

「荷物持って、さっさと出ていけよ」

「ちょっと…!」

バッグを押し付けて、史華の背中をトンと押した。

「あ、さっきの答え」

「え?」

振り返った史華に、

「俺、一途な子が好きなんだよ。だからお前じゃ無理」

史華の目が見開かれた。

その顔を口元を歪めた笑いで見返すと、出来るだけ冷たい口調でいい放った。

「お前はせいぜいセフレ止まりだ」

その途端。

バシン!!と乾いた音と共に、左頬に痛みが走った。

「トモノリの馬鹿っ!!」

史華はそう言い捨てると、荒々しくドアを開けて出ていった。

走り去る足音と、ドアの閉まる音を聞きながら、平手うちされた頬を撫で、苦笑いを浮かべた。

あいつボキャブラリーねぇなぁ。

トモノリの馬鹿、って…。

前に別れた時と同じセリフじゃねぇかよ。

頭を振って部屋に戻ると、テレビを点けた。

それにしても。

さっきの自分のセリフもどうかと思う。

一途な子、って…誰の事だよ!?

ストーリーメニュー

TOPTOPへ