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sugar-holic

第26章 応援するけどな

「さて、と。とりあえず食べちゃおうよ」

比呂子さんに促されたものの、気になることが多くて、味なんてわからなくて。

とにかく、お茶碗の中を空にする事だけ考えてると

「梢ちゃんってさ」

不意に名前を呼ばれて、目線だけ比呂子さんに向けると

「倉田と付き合えそう?」

予想外の一言に、思いっきりむせてしまった。

ゴホゴホ咳をする私に

「あーあ、大丈夫?」

そう言って、背中を叩いてくれたけど…

こうなったのは比呂子さんのせいだからね!?

「なっ…何を急に!?」

「ん?んー…何だろうね。いい線行ってる気がするんだけど」

いい線って…。

「あいつさ、人に弱味を見せないって言うか…自分の気持ちを表に出さない所があるんだよね」

あ…うん。何となく分かる。

「自分の気持ちを悟られるのが嫌で、斜に構えるって言うの?のらりくらりとかわすしね」

「質問に質問で返したり?」

「うん、そうそう。そういうの!」

比呂子さんが箸で拍子をとりながら何度も頷いた。

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