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sugar-holic

第26章 応援するけどな

「ま、あの見た目だし?それで気配り上手で適当にそつなくこなすから、モテるのは分かるよ?」

「あぁ…そうみたいね」

確かに会社の中でも人気あるみたいだし。

本社の矢口さんも『イケメンだ』って言ってたくらいだしね。

そして本人も、それを自覚してる。

そういう所が、やけに引っ掛かるんだけど…。

肩をすくめると、比呂子さんがニッと笑った。

「梢ちゃんも気付いてるね?」

「何が?」

「本当のあいつって、そんな爽やかな奴じゃなくて、もっとドロドロした奴だって事」

ドキッとして比呂子さんを見ると、胡瓜の浅漬けをポリポリ音をたてて囓りながら天井を睨んで

「うわべだけ見てればいい奴なんだけどね~」

さも感心したような口調で話してる。

「確かによく気が付くよね」

「梢ちゃんもね」

比呂子さんの言葉に意味が掴めなくて、キョトンとすると

「誰も気付かなかった倉田の体調、気付いたでしょ?」

「あ…あれは!!」

私が気付いたんじゃなくて!!

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