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sugar-holic

第28章 勘違いしないで

「じゃあ、向こうの発送ミスか」

「そういう事ですかね」

遠藤さんがあっさりと頷いて

「どうします?こっちから問い合わせた方がいいですかねぇ」

倉田くんにお伺いをたて始めた。

「いえ、こっちでやりますから」

倉田くんの返事に、あからさまにホッとした表情を浮かべて

「そう?じゃあ頼むね」

ニコニコと笑顔を浮かべた。

「届いた商品、確認していきますから」

「あぁ、はいはい。どうぞどうぞ」

遠藤さんは、自分の仕事は済んだとばかりに事務所へ戻っていった。

そんな態度に、怒りを通り越して呆れてしまう。

肩をすくめて、慣れたように倉庫に入っていく倉田くんの後を追いかけた。

「…いつもこうなの?」

「いつもこうですよ?」

商品の積んである場所まで、迷いのない足取りで進んでいく。

「何か…自分でやった方が早いって、納得」

「ですね」

倉田くんはくくっと笑いをこぼして先を歩いていく。

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