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sugar-holic

第29章 思い出の味

そんな感じで親子丼作りは終わって。

「うん、旨い!!」

親子丼を一口頬張って、強司は笑顔を浮かべた。

「そう?それは良かったね」

「食器がちゃんとしてれば、もっと旨く感じただろうにな」

そう言ってニヤリと笑うと、割り箸でトレイを叩いた。

炊飯器も持ってないから、パック詰めのご飯を買ったんだよね。

丼もないから、レンジで温めたご飯の上に、そのまま具を乗せた。

そりゃあ…まぁ…そうなんでしょうよ!?

「自分で作るときはこだわって作ってよ」

「そうだな。これはないからな」

クックッと笑いながら親子丼を食べる強司を見ていると、ふいに強司に問われた。

「梢は?」

「ん?」

「彼氏出来た?」

ストレートに聞いてくるんじゃないわよ!?

自分が彼女いるからって、私もそうだって思ってるの!?

「…ノーコメント」

「ふぅん?」

私の返事に首を傾げてみせると、ニヤニヤ笑いながら私を窺った。

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