テキストサイズ

sugar-holic

第33章 誓い

「うんうん。そうだよね」

無理やり言わせたのに、その言葉に満足したのか、比呂子さんがニンマリと笑う。

「だからね、皆でちゃんとお祝いしたいんだよね」

その笑みと言葉に、平谷次長が眉をひそめて

「ちゃんと?」

「そう。…じゃあ、平谷さんはこっちに来て」

比呂子さんが次長を手招きして、私の机の前に立たせた。

机を挟んで比呂子さんと向き合う形になり、皆のいる方を振り返って苦笑いを浮かべると

「何を始めるつもりなんだ?」

「良いこと」

クスクス笑いながら、比呂子さんが合図を送る。

すると、書庫の扉が開いて、中から倉田くんと遥ちゃんに連れられて、美帆ちゃんが現れた。

「え…?」

美帆ちゃんを見て、平谷次長が驚きの声を上げる。

それを見て、私と比呂子さんで顔を見合わせて微笑み合った。

良かった。サプライズ成功だ。

美帆ちゃんは白いワンピースを着て、頭からレースのベールを被っている。

見ようによっては、花嫁に見えるだろう。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ