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美帆ちゃんを見ながら、美帆ちゃんから退職願いを受け取った日の事を思い返した。

『１つ提案というか、お願いがあるんだけど』

比呂子さんが私に振ってきた話は、営業部の皆で結婚祝いがしたいって事だった。

それも、ただお祝いを言うだけじゃなくて…

「これから、平谷さんと美帆ちゃんの人前結婚式を執り行います!!」

比呂子さんの宣言に、平谷次長が驚きのあまり

「ふぇっ!?」

と甲高い声を上げた。

その反応に、皆から笑い声が沸き立つ。

「何でそんな変な声なのよ!!」

「いや、突然すぎて…」

戸惑いを隠せない次長に、比呂子さんが

「『ちゃんと』お祝いさせてもらいますから」

そう言って、ニッと笑う。

「じゃ、始めます!!」

その合図に、倉田くんに手を引かれ、美帆ちゃんが歩き出した。

そして平谷次長の元へたどり着くと、次長に美帆ちゃんの手を譲り渡す。

「おめでとうございます」

倉田くんの言葉に、平谷次長が薄く笑った。