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sugar-holic

第33章 誓い

ワゴンの音をたてないように、ゆっくりと本棚の裏に運び入れていると

「平谷さん、あなたは美帆ちゃんを一生涯愛し、どんなときも守り抜き、幸せにすることを誓いますか?」

比呂子さんの声が聞こえた。

「はい、誓います」

平谷次長が固い声で答えてる。

その声に、皆のはやしたてる声や笑い声が混じる。

何だかんだ言っても、皆楽しそうにしてるじゃない?

「周りうるさいよ!!」

比呂子さんの怒号が飛び、私が笑いを噛み殺していると

「準備出来ました?」

ひょこっと倉田くんが本棚の裏に顔を出した。

突然現れたからビックリして目を見開いてしまったものの

「あ、うん。こっちは大丈夫」

ドキドキする胸を抑えて、余裕の返事をした。

「えーっと…美帆ちゃん、あなたは平谷さんを一生涯愛し、明るく笑顔溢れる家庭を築いていくことを誓いますか?」

「はい、誓います」

美帆ちゃんが嬉しそうな声で答えるから、姿が見えないのに表情が想像できてしまう。

頬を緩ませていると

「デレデレな顔してんでしょうね」

同じことを思ったのか、倉田くんがそう言って苦笑いを浮かべていた。

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