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sugar-holic

第5章 気に入ったよ

浅野社長が不思議そうな顔で

「調理師免許持ってるって事は、どこかの飲食関係で勤めてたの?」

そうだよね。普通は仕事で必要だから取るものだから、そう思うよね。

でも、私はそうじゃなかったんだよねぇ。

「近所のラーメン屋でバイトを」

「バイト?」

「はい。高校生の時に」

「高校生!?…で、調理師免許?」

あはは。平谷次長に話したときと同じリアクションだ。

「はい。バイトでも勤続年数で受験資格もらえたので」

「へぇ…すごいなぁ」

感心したように呟く浅野社長に、次長が

「やっぱり、ちゃっかりしてるでしょう!?」

「だから、しっかりです!!」

何だかお笑い芸人のギャグみたいになってる。

すると、浅野社長が笑いながら

「俺、梢さん気に入ったよ。乾杯しよう!」

と、ビールジョッキを差し出した。

「ありがとうございます」

ジョッキがカチンと小気味いい音をたてて鳴る。

「倉田、どうした!?大人しいな」

次長の呼び掛けに、倉田くんが笑いを浮かべて

「俺も大人になったんですよ」

その言葉に、次長と社長が顔を見合わせて…爆笑した。

え?

私一人だけ分かってない状態で、賑やかに時間が過ぎていき…。

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